YieldBasis(YB)とは

YieldBasis(YB)とは

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更新済 Oct 16, 2025
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要点

  • YieldBasisは、インパーマネントロス(IL)を被ることなく自動マーケットメイカー(AMM)プールでBTC流動性を提供できる暗号資産プロトコルです。

  • プラットフォームはcrvUSDを借り入れて2倍レバレッジのBTC/crvUSD流動性プールを構築し、一定のレバレッジを維持およびインパーマネントロスを排除します。

  • BTCを預け入れると、LPポジションに相当するybBTCトークンを受け取ります。ybBTCトークンをステーキングすると、YBトークン報酬も獲得できます。

  • 自動リバランスメカニズムは、ポジションをBTCの価格と1対1で連動させるため、LPの債務対価値比率を目標値の50%に維持するよう設計されています。

  • YieldBasisを利用すると、従来のAMM流動性提供に伴う典型的な損失を回避しつつ、取引手数料を獲得できます。

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はじめに

暗号資産のAMM(自動マーケットメイカー)に流動性を提供する際、流動性プールにトークンを預ける形となります。この場合、単純に原資産を保有する場合と異なり、時間の経過とともに価値が減少するインパーマネントロス(IL)が発生するリスクがあります。

YieldBasis(YB)は、インパーマネントロスを回避しつつ取引手数料の確保を望むBTC流動性プロバイダーに対し、新たなソリューションを提供します。レバレッジ流動性モデルを採用し、BTC価格に連動する2倍レバレッジポジションを維持することで、インパーマネントロスを回避し、収益性を向上させます。

YieldBasisの仕組み

YieldBasisは、CurveのBTC/crvUSDプール内でレバレッジ流動性ポジションを構築して運用します。具体的な手順は以下のとおりです。

  • BTC預け入れとトークン受け取りBTCをYieldBasisに預け入れ、2倍レバレッジのBTC/crvUSD流動性プールポジションを表すybBTCトークンを受け取ります。

  • crvUSDとのレバレッジペアリング:プロトコルは流動性プールポジションに対してUSDと同等の価値を持つcrvUSD(ステーブルコイン)を借り入れ、常に2倍の複利レバレッジ(負債比率50%)を維持します。

  • 担保付き債務:BTCとcrvUSDを預けて得られるCurve LPトークンが、借り入れたcrvUSD債務の担保となります。

  • 自動リバランス:内蔵のリバランスメカニズムにより、BTC価格変動時に負債とLP保有量を調整するアービトラージ取引を行い、2倍レバレッジ比率を維持します。

  • 手数料収益とステーキングの選択肢:ybBTCを保有したままステーキングせずにBTC建ての取引手数料を獲得するか、ステーキングしてYBトークンの報酬を受け取ります。YBトークンを投票ロック(vote-lock:トークンを一定期間ロックし、投票権を得る仕組み)して、ガバナンス権利とBTC手数料の一部を獲得できます。

インパーマネントロスの問題

従来のAMM(自動マーケットメイカー)では、価格変動に応じてプール内の資産比率が定期的にリバランスされることで、インパーマネントロス(IL)が発生します。流動性プロバイダーのポジション価値は、単純にBTCを保有する場合に比べて上昇が緩やかになる傾向があります。

たとえば、BTC価格が2倍に上昇した場合、BTCとステーブルコインの間でリバランスされたAMMポジションの価値は、単純にBTCを保有している場合より約5.7%低くなります。

一部のプロトコルはトークンインセンティブで損失を相殺していますが、こうした補助金はインパーマネントロスの問題を根本的に解決するものではありません。YieldBasisの仕組みでは、レバレッジをかけたLPポジションをBTC価格に完全に連動させて、インパーマネントロスの問題の本質に対処し、実質的にこれを解消しています。

レバレッジ流動性:YieldBasisによる解決策

預け入れたBTCと借り入れたcrvUSDをペアにして、2倍のレバレッジポジションを維持することで、YieldBasisはLPの価値をBTC価格に対して1対1の比率で連動させます。具体的な仕組みは、以下のとおりです。

  • プロトコルは専用の担保化債務ポジション(CDP)を利用し、預け入れたBTCと同額(USD換算)でcrvUSDを借り入れます。

  • 両資産を合わせて、CurveのBTC/crvUSD流動性プールに追加します。

  • 生成されたLPトークンは、借り入れたcrvUSD債務の担保となります。

  • システムは、債務を常にLP総価値の50%に維持するよう自動的にリバランスします。

  • リバランスは、リバランスAMMとVirtualPoolの両方を利用したアービトラージ取引によりアトミック(一括処理)に実行されます。その後、BTC価格変動に応じ、コントラクトによりLPトークンと債務をミント・バーンすることで、適切なレバレッジ比率を回復します。

この構造は、Curveのプールの数学的特性(Curve独自の資産価格変動の効率的な処理)と複利レバレッジ(レバレッジ効果による利回りの増加)を活用しており、通常のAMMで見られるほぼ直線的な価値の減少を解消します。その結果、インパーマネントロスをなくし、流動性プロバイダーがBTC価格の変動から十分に利益を得られるとともに、取引手数料も獲得できるようになっています。

潜在的なリスク

YieldBasisはインパーマネントロスの問題を解消しますが、いくつか注意すべきリスクも存在します。

  • スマートコントラクトリスク:すべてのDeFiプラットフォームと同様に、スマートコントラクトのバグや脆弱性により資金が失われる可能性があります。

  • アービトラージおよびリバランス依存:YieldBasisは、レバレッジ比率の安定化にアービトラージ取引を利用します。これらの仕組みが機能しない、または効率性を失うと、ポジションが目標レバレッジから乖離する可能性があります。

  • 市場リスク:急激な価格変動や原資産となるプールの流動性低下が、ポジションの安定性や手数料収益に影響を及ぼす可能性があります。

  • プロトコルおよび借入リスク:プラットフォーム上では、ステーブルコインcrvUSDが借り入れに使用されます。ステーブルコインの安定性や借入メカニズムに関連するリスクが、全体のポジションパフォーマンスに影響を与える可能性がある。

YieldBasis(YB)のバイナンスHODLerエアドロップ

2025年10月14日、バイナンスはバイナンスHODLerエアドロッププログラムの53番目のプロジェクトとしてYBを発表しました。10月9日~11日の対象期間中にSimple Earn商品またはオンチェーン・イールド商品にBNBを預けたユーザーを対象に、YBのエアドロップが配布されました。このプログラムでは、トークン総供給量の1%に相当する合計1,000万YBトークンが割り当てられました。

YBは、シードタグ付きでバイナンスに上場しており、USDT、USDC、BNB、FDUSD、TRYとのペアで取引できます。

まとめ

YieldBasisは、レバレッジ付き流動性と自動リバランスメカニズムを組み合わせ、インパーマネントロスを解消する革新的なBTC流動性提供の手法を導入しています。これにより、流動性プロバイダーはBTC価格への完全なエクスポージャーを維持しつつ、従来のAMMプールで見られる典型的なリスクを負うことなく、取引手数料を獲得できます。

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